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外国にルーツ、私らしく 横浜で1月11日上映会

話題 | 神奈川新聞 | 2019年12月31日(火) 12:15

「向陽而生」の1場面
「向陽而生」の1場面

 日本で働く親に中国から呼び寄せられて日本社会で暮らす若者が、自分たちの経験を元にした映画「向陽而生(こうようじせい) 私らしく生きること」を製作した。来年1月にはフォーラム南太田(横浜市南区)で、上映会と製作の中心になった林錦園(リン・キンエン)さん(24)のトークショーが開かれる。

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 製作したのは、外国にルーツを持つ若者のグループ「にじいろ探検隊」。なか国際交流ラウンジ(同市中区)が開いている中学生の学習支援教室の卒業生で構成され、高校生以上も集える居場所「レインボースペース」の運営や地域貢献活動などを行っている。

 映画は、高校3年生の「穆千里(ぼく・せんり)」が主人公。中学2年で日本に渡り、日本語や学校の勉強、進路選択などで親にも理解されない苦労を抱えている。「日本に来なければ苦労はなかった」と感じながらも、外国につながる若者の居場所づくりに携わる中で自分自身と向き合い、「今をどう生き、これからどう生きたいのか」と考えるようになる。


映画製作の中心になった林錦園さん=横浜市中区
映画製作の中心になった林錦園さん=横浜市中区

 出演者はほとんどが「探検隊」のメンバー。それぞれの体験をメンバーの1人が書いた小説に肉付けし、林さんが脚本にまとめた。転入した学校で丸暗記した日本語で自己紹介したこと、親にはなかなか言えない「なぜ日本に連れてきたのか」という気持ち。「演じるというより、それぞれ自分のことを振り返りながら当時を再現していた」(林さん)という。

 作品を通じて伝えたいのは「自分らしくどう生きていきたいか」だ。林さんも出演者と同様の体験をし、「日中の言葉と文化を持つことを生かした仕事をしたい」と決意。3月に早稲田大大学院を修了し、同ラウンジで若者支援コーディネーターを務める。「『外国につながる若者の生き方はこうだ』と決めるのではなく、自分と向き合い、自分らしく生きていけるようになってほしい」と話す。

 映画ではその思いを「日本に来るのは宿命だったとしても、出会いと経験を積み、運命は自分の手でつかみたい」というラストシーンの言葉に込めた。林さんは「作品を通じ、中高生には将来自分もこういうことができるんだと思ってほしい。若者のことをもっと理解してくれる大人が増えてくれたら」と話す。

 上映とトークショーは来年1月11日午後2時から。無料。問い合わせは、フォーラム南太田電話045(714)5911。

 
 

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