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鎌倉・小町通り、観光客におもてなし袋配布 ポイ捨て防止

話題 | 神奈川新聞 | 2019年12月30日(月) 14:00

観光客らに「おもてなし袋」を手渡す中杉春生さん(右)ら鎌倉小町商店会メンバー=鎌倉市内
観光客らに「おもてなし袋」を手渡す中杉春生さん(右)ら鎌倉小町商店会メンバー=鎌倉市内

 多くの観光客でにぎわう鎌倉市の小町通りで、ごみのポイ捨てなどを防ぐ新たな取り組みが始まった。地元商店会がごみや土産物などを入れられる「おもてなし袋」を作製、21、22日に学生らボランティアと約5千枚を配布した。ごみで景観が損ねられたり、手に持った食べ物で商品が汚されたりといった課題がある小町通り。商店主らは今後も活動を続け、マナー向上にもつなげたいとしている。

依然食べ歩き、車道で撮影… 鎌倉、マナー条例も変化無く

 紙製でA4サイズのおもてなし袋は、約230店舗が加盟する鎌倉小町商店会が作製。小町通りのイラストに、「鎌倉の想(おも)い出はゴミと一緒に持ち帰りましょう」とのメッセージと、ごみの投げ捨てや集団で立ち止まっての飲食、混雑時の接触への注意も日本語と英語で表記している。

 取り組みの背景には、なかなか改善されないごみのポイ捨てや混雑時の食べ歩きの問題がある。

 国内外から年間約2千万人が訪れる鎌倉市。中でも、飲食店や土産物店などが多く軒を連ねる小町通りは人気のスポットだが、路上がごみで散らかり、手持ちの食べ物で服や店の商品などが汚れる被害が後を絶たない。

 市は4月に、観光客らにマナーの向上を促す条例を施行。商店会も「マナーを守って鎌倉散策」などと記したのぼり40本を自ら製作し、沿道に掲げるなどしているが、思うような変化が見られなかった。

 商店会は、その間も対応を模索。単なるごみ袋ではなく、啓発のメッセージを込め、もらった人が持ち帰りたくなるようなおもてなし袋を考案した。県の補助金も受け、商店会独自で作製。耐水加工を施して食べ物も入れられるよう工夫を凝らした。

 21、22日は、観光客の分散化を図るため、通りと周辺の混み具合を示すマップを盛り込んだパンフレットと共に配った。受け取った東京都内の女性会社員(25)が「商店会が考えて作った袋と聞き、とても良い取り組みだと思った」と語るなど滑り出しは順調だ。

 配布には、鎌倉学園高校の生徒も協力。3年の榊原慧さん(18)は「手渡してすぐごみを入れてくれた人もいた。普段も通りでごみを見ることがあり、少しでもポイ捨て防止に役立てたら」と語る。

 商店会は今後、アジア圏からの観光客らにも伝える方法を考えていく。商店会街づくり委員会の今雅史委員長(71)は「地道に呼び掛け、魅力あるまちをつくりたい」と話している。

 
 

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