振り込め詐欺被害を防ごうと、南署が今月から新たな対策に乗り出している。不審な電話を詐欺と見破った市民にお手製のカードを配布するとともに、その体験を広めてもらって地域の防犯意識向上を促す取り組みという。
作製した「振り込め詐欺撃退カード」は名刺サイズで、電話で猫のおばあさんをだまそうとしているキツネのしっぽに犬の警察官がかみついている愛らしいイラストを掲載。一方、裏面には詐欺被害を未然に防いだことをたたえる文を載せている。
「悪いことをしたら捕まる様子をイメージした」と言う同署会計課の女性職員(32)がイラストをデザインし、南防犯協会と共に約400枚作製した。今月から自宅にかかってきた不審な電話を振り込め詐欺と見破り、署に通報した市民を署員が直接訪問。カードを手渡すとともに、知人や友人に体験を紹介してもらうよう呼び掛けている。
同署管内では、今年1月からの振り込め詐欺被害は23件に上っており、昨年より倍増。中でも金融庁職員や警察官を装い、自宅を訪問してキャッシュカードをだまし取る手口が増えているという。
同署は、これまで13枚を配布。大森一延署長は「親しい人から話を聞いて詐欺への警戒を促し、被害の食い止めにつなげていきたい」と話している。