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異業種交流で「働きやすい町に」 
保育所開設いざ連携 来春、鎌倉の新興・老舗企業

話題 | 神奈川新聞 | 2017年11月14日(火) 10:05

カヤックと豊島屋が共同で鎌倉市に設立を予定する保育施設の完成イメージ
カヤックと豊島屋が共同で鎌倉市に設立を予定する保育施設の完成イメージ

 鎌倉市で、地元の新興企業と名門菓子メーカーが共同で保育事業に乗り出す構想が進んでいる。待機児童解消策として、政府が整備を後押しする企業主導型保育事業の枠組みを活用し、JR鎌倉駅近くに来年4月に開設する計画だ。両社はもとより、利用契約を結んだ鎌倉にオフィスがある企業を対象に、従業員の子育てをサポート。地域住民にも門戸を開く。観光が基幹の鎌倉を、就業しやすい町としてアピールするきっかけにしたい考えだ。

 保育事業を共同で進めるのは、2005年設立で、14年に東証マザーズに上場したカヤックと、日清戦争開戦の1894年創業で県内を代表する銘菓「鳩サブレー」の豊島屋。同社の久保田陽彦社長は鎌倉商工会議所の会頭を務める。創業に1世紀以上の開きがある上、インターネット広告やソーシャルゲームが主力の新興企業と、菓子の老舗という異色のコラボレーションとなる。

 歴史も社業も異なる両社だが、就業人口を増やして地元に活気をもたらしたいとの思いや、そのための保育の受け皿整備という今日的課題に向き合う姿勢で共鳴。今夏から、両社の出資による保育施設整備の計画が具体化したという。

 保育施設(同市小町1丁目)は、若宮大路から路地に入った庭付きの住宅をリフォームして活用。保育対象は0~2歳児で、定員は19人(企業枠10人、地域開放枠9人)。月~土曜日の午前7時から午後7時まで対応する。月額保育料は6~7万円を予定する。運営は幼児教育で実績がある一般社団法人が担い、12月に園児募集の説明会を始める予定だ。政府が、新たな保育施策として16年度から運営や整備費の一部を助成する企業主導型保育事業の適用を申請している。

 従業員の平均年齢が20代後半で、女性が2割を占めるカヤックの柳澤大輔CEO(最高経営責任者)は「情報技術(IT)系では働き手に若者が多く、人材確保には身近な場所での育児支援の充実が不可欠」と説明。「地元を代表する豊島屋とのコラボで、鎌倉を働きやすい町としてアピールしたい」と話す。

 両社は、鎌倉の歴史や自然を生かした施設のカリキュラムを検討。「保育スタッフの充実のほか、鎌倉に根差した、みんなでつくる、開かれた保育施設にしたい」と意気込む。福利厚生の一環で、育児支援の拡充を目指す地元企業などにネットワークを広げ、今年4月現在47人いる鎌倉市内の待機児童解消にも一役買いたい考えだ。

 
 

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