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遺跡を学びと交流の場に 川崎

話題 | 神奈川新聞 | 2017年11月13日(月) 02:00

官衙に関する多くの遺跡が確認された橘樹郡衙跡=高津区千年(川崎市提供)
官衙に関する多くの遺跡が確認された橘樹郡衙跡=高津区千年(川崎市提供)

 川崎市は、市内初の国史跡に指定された古代の役所跡「橘樹(たちばな)官衙(かんが)遺跡群」(高津区千年、宮前区野川)の保存活用計画素案をまとめた。市民が遺跡の価値に愛着が持てるよう、後世まで継承するための公有地化を進め、ガイダンス施設や駐車場などがある史跡公園として整備・活用する方向性を示した。

 計画素案は、専門家らによる有識者会議の助言を踏まえて市教育委員会事務局が策定。当面10年間の保存・活用の方策を盛り込み、来年2月に正式に策定、同4月から実施する。計画は、保存管理、活用、整備、管理運営・体制の四つの柱で構成する。

 保存管理については、将来も確実に継承し、市民が活用できるよう整備するため、公有地化を進める。

 古代律令(りつりょう)制度に基づく地方支配の実態を解明する重要な遺跡であることから、学校教育と連携を図るとともに、生涯学習の場としても幅広い世代が学べる場を目指す。

 古代官衙遺跡の景観が体感できるよう遺跡の復元も含め検討するほか、学習の場としてガイダンス施設や駐車場などの整備も考えていく。市民の交流の場にもしていきたい考えだ。市が管理団体の役割を果たし、地域と連携・協働した保存管理体制を構築していく。

 同遺跡群は周辺約1万2千平方メートルに点在。7~10世紀の地方行政組織「郡」の一つである橘樹郡の役所跡の橘樹郡衙跡と、隣接する寺跡の影向寺(ようごうじ)遺跡から成る。1996年に実施された開発事業に伴う事前の発掘調査で発見された。古代史解明につながる貴重な遺跡として2015年3月、国史跡に指定された。

 市文化財課は「市民に愛される史跡となるよう、その方向性を示す計画。今後、地域や有識者とともに整備計画もまとめ、具体化させていくことになる」としている。

 
 

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