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武士が見た動乱の世「桜井家文書」を展示 県立歴史博物館

話題 | 神奈川新聞 | 2019年12月9日(月) 11:50

戦場での武功を認める文書などが並ぶ会場=県立歴史博物館
戦場での武功を認める文書などが並ぶ会場=県立歴史博物館

 北条氏らに仕えた武士が残した文書を通して、戦国から江戸へと変わる動乱の世をたどる「桜井家文書」展が、横浜市中区の県立歴史博物館で開催中だ。12月22日まで。入場無料。

 同文書は戦国時代を生き抜いた桜井家に伝わり、同館が所蔵。桜井左近と息子武兵衛が仕えた北条氏康・氏政・氏直が発給した中世期の11通と、北条氏滅亡後に仕えた越前藩主・結城秀康らが発給した近世期の18通、武兵衛自筆の覚書1通の計30通が並ぶ。

 近世期の文書は2017年から修理を行っており、その完了を記念する展示。読み解いた内容を平易につづった解説や、文書に登場する出来事と場所を視覚化したパネルなどで分かりやすく工夫した。

 秀康の息子、松平忠直は武兵衛に薬を送り、体を大事にするようにと気遣う書簡を送る一方、「かの者」の監視を内密に命じた文書を出した。翌年にはお家騒動が起こっており、信頼の置ける側近らで脇を固めていた様子がうかがわれる。

 同文書は良質な保存状態で伝わったため、折り方が分かり、研究が進んだ。例えば「北条家朱印状」では相手の名前に折り目が付かないようにするなど、こまやかな配慮がなされていたという。こうした文書の折り方や武将の印判を押す体験コーナーもある。

 「著名な戦国武将ではなく、一人の武士の視点から時代の移り変わりを感じられる」と同館の渡邊浩貴学芸員。武兵衛の覚書には各地に散った北条家家臣らのその後を追える記述があり、「情報を共有するネットワークがあったのかもしれない」と推察した。

 月曜休館。問い合わせは同館電話045(201)0926。

 
 

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