東京五輪・パラリンピックの選手村のビレッジプラザで、県内からは秦野と相模原の2市産の木材が使用される。両市とも「高い品質を世界にPRしたい」と意気込む。
秦野市はヒノキ約100本を製材して貸し出す。高品質で知られる市内産ヒノキは色つやだけでなく、耐久性にも優れ、皇居の門扉や歌舞伎座のひのき舞台などにも使用されている。特に最高級品は切り出し後、コストがかかるヘリコプターで空輸しても利益が出るほど高く売れる。
相模原市も緑区内の森林からスギを提供する。今年6月から市と森林組合などがブランド化を目指し、産地証明制度を始めたばかり。市の担当者は「ブランド化へ、追い風となった」と喜ぶ。
大会終了後、ビレッジプラザは解体され、木材は各自治体に返却される。秦野市は「小中学校の机や壁の材料に使用したい」と話す。相模原市もベンチやテーブル、モニュメントとして加工し、公共施設に設置することを考えている。
木材を五輪選手村に
62自治体貸し出し 交流スペースで使用
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は18日、東京・晴海の選手村に建設する選手らの交流スペース「ビレッジプラザ」に全国の自治体から借り受けた木材を使用するプロジェクトに、東日本大震災の被災地を含む62の自治体が参加すると発表した。大会後に解体された木材は当該自治体に返却し、公共施設などでレガシー(遺産)として再利用してもらう。
参加自治体には、競技会場がある千葉県や静岡県のほか、相模原市や秦野市なども含まれた。組織委によると、各自治体から提供される木材はスギ、ヒノキ、マツなどさまざま。布村幸彦副事務総長は「日本らしい空間ができる。持続可能性の一つのモデルになればいい」と期待した。