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「自分らしさ」まとって 三浦移住の作家が新作発表

話題 | 神奈川新聞 | 2019年10月30日(水) 13:00

自身のルーツを投影した新作のストールを手にする大類尚子さん(右)と、一緒に製作した木村初美さん =三浦市三崎
自身のルーツを投影した新作のストールを手にする大類尚子さん(右)と、一緒に製作した木村初美さん =三浦市三崎

 三浦市に昨春移住したテキスタイル作家の大類尚子さんが地元の布作家と手を携え、コットンガーゼ製のストールを完成させた。地域住民との触れ合いをきっかけに、デザインには自身のルーツを投影し「自分らしさ」を表現した。インターネットなどで販売しており、「薄くて柔らかく長持ちし、一年中、身に着けられる。手に取ってもらえたら」とお薦めしている。

 大類さんは美術大学を卒業後、デザイナーの三宅一生さんが率いる「三宅デザイン事務所」(東京都)での勤務を経て2011年に独立した。現在はストールブランド「ルイヌノ」を手掛けている。

 初めて三浦を訪れたのは9年前。「活気がありながらも、ゆったりと時間が流れていた」。週末に足しげく通う中、いつしか住んでみたいと思うようになり、長女(8)が小学校に入学するタイミングに合わせて昨年4月、三崎地区に移り住んだ。

 移住後は自宅を工房として、魚網や三崎の景色など地域の特色をイメージした商品を製作。新作は韓国伝統のパッチワーク「ポジャギ」をモチーフとしているが、これも新天地に影響を受けている。

 祖母が韓国からの移住者という大類さん。自身は七五三で民族衣装チマ・チョゴリを着用したことがあったものの、これまでルーツについて意識することはなかった。

 それが地域と関わる中で変化が起きた。三崎地区の住民は「皆キャラ(個性)が光っている」と感じ、自分自身の足元を見つめ直すことにつながった。

 ブランドのコンセプトに「自分らしくいられること」を掲げていることもあり、大類さんはルーツの一つである韓国のポジャギ柄の新たなストールを作ろうと発案。昨年夏から製作に取り掛かった。

 縫製は、13年前から市内に住む布作家の木村初美さんに依頼。試行錯誤を繰り返しながら約1年かけて、完成にこぎ着けた。木村さんは「素晴らしいものが仕上がった。自分でも持っていて、お気に入りになった」と笑顔を見せる。

 大類さんは、移り住んだ地に可能性を見いだしている。「三崎の良さは人と人との距離が近く、目に見える範囲内でものづくりができること」と話し、「これからも個性を分け合いながら製作していけたら」と意欲を示している。

 ストールは「カラフル」「モノトーン」の2色で、各8100円。問い合わせ・購入は、ルイヌノのショップページ(https://ruinuno.thebase.in)。

 
 

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