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伊能忠敬の足跡、石碑に 測量時宿泊の湯河原で町民建立

話題 | 神奈川新聞 | 2019年10月28日(月) 10:18

向笠彦右衛門宅跡に建立された石碑の前で伊能忠敬について語る向笠さん(右)と富岡さん=湯河原町吉浜
向笠彦右衛門宅跡に建立された石碑の前で伊能忠敬について語る向笠さん(右)と富岡さん=湯河原町吉浜

 江戸後期に全国を測量し、正確な日本地図「大日本沿海輿地(よち)全図」を完成させた伊能忠敬(1745~1818年)の没後200年を記念し、忠敬が測量時に立ち寄った湯河原町内のゆかりの地に石碑が完成した。町の補助金を得て建立した市民団体は「皆さんに町の歴史を知ってもらいたい」と話している。

 建立に動いたのは、平安末期ごろの地元領主で源頼朝の旗揚げに尽力した土肥実平を顕彰する「土肥会」(深澤昌光会長)。郷土史研究も行っており、忠敬の測量隊が土肥氏の墓参をした史実も確認した。忠敬の没後200年の節目となった昨年は、墓地のある城願寺(湯河原町城堀)にも町の補助金を得て顕彰碑を建立した。

 今回の石碑を建立したのは、忠敬の測量隊が3度宿泊した吉浜村の名主・向笠彦右衛門宅跡と、測量隊が墓参をするきっかけをつくったとされる門川村の名主・冨岡与次右衛門宅跡。忠敬の測量日記には、泊まった向笠家について「新畳にて綺麗(きれい)なり」と測量とは関係ない記事も記されているという。冨岡家には昼食の休憩に立ち寄り、地元の英雄・実平の武勇伝を聞いたとみられる。

 14日に向笠家の石碑近くで行われた完成式には、両家の子孫も参加。向笠進さん(83)は「測量隊が泊まったとは父や祖父からも聞いていなかったので驚いた。地元の人が顕彰碑をつくってくれるのはありがたい」と笑顔。富岡一夫さん(69)は「測量隊の詳しい内容は分からないが、多くの人に町の歴史を知ってもらえたら」と話していた。

 伊能忠敬は上総国(千葉県)の出身。商人として成功したが50歳で隠居し、天文学などを修めて1800年から16年まで全国を測量して正確な地図を完成させた。忠敬の測量隊は現在の湯河原町域を3度通過しているという。

 
 

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