子どもたちが面を着けて踊る三浦市の郷土芸能、市指定重要無形民俗文化財「いなりっこ」の発表会が6日、三浦市民ホール(同市三崎)であった。4歳から中学3年までの子どもたち約20人が出演。ひょっとこや武者の面をかぶり、五穀豊穣(ほうじょう)や大漁を願う舞を繰り広げた。
子どもたちは8月から練習に注力してきたといい、この日は、田畑を荒らすキツネを農民が退治する「種まき」や、五穀豊穣を祈るキツネの踊り「天狐の舞」などの演目を披露。会場では約100人の市民らがカメラを向けたり、大きな拍手を送ったりした。
2019年度限りで、いなりっこを卒業する中学3年の山崎香々愛さん(15)は、4歳から踊ってきた。最初の演目「国がため」に出演し「一番の大役ができてよかった。プレッシャーがあったが、大きな動きで表現できた」と達成感を見せた。
発表会は同市三崎・下町地区の子どもらでつくる「三浦いなりっこ保存会」が主催。いなりっこは、海南神社(同市三崎)に伝わる「面神楽」の子ども版で、昭和初期には行われていたとされる。