県自然環境保全センター(厚木市七沢)は丹沢山地で進めている自然保護の取り組みを紹介する大型の壁画イラスト「丹沢再生絵巻」を制作し、1日に本館1階の展示室に設置した。センターは「次世代を担う子どもたちに丹沢が抱える問題を知ってもらうため、視覚的にも分かりやすいイラストにした」と説明している。
壁画イラストは幅11・5メートル、高さ1・5メートル。「かつての丹沢」「丹沢で起きてきたさまざまな問題」「自然再生に向けた取り組み」「めざす丹沢の未来」の四つのテーマで、時系列的にその風景を表現している。センター職員の中西のりこさんが原画を描いた。
保護の取り組みを解説するリーフレット(A3判二つ折り)も作成、配布している。丹沢再生の象徴とされるブナ林の回復や、増え過ぎたニホンジカの管理捕獲など100項目を紹介している。
県の丹沢再生事業は1980年代、ブナの立ち枯れ現象を受けて始まった。50年以上に及ぶ長大な取り組みとされ、現在は3期目の丹沢大山自然再生計画(2017~21年度)に基づく取り組みを展開している。