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鉄道コラム 前照灯(300)
台風被害の爪痕 代行バスで行く山陰・山陽の旅

話題 | 神奈川新聞 | 2019年9月27日(金) 10:52

山陰線宍道駅に到着した貨物列車

 台風15号の影響で、あちこちで鉄道が止まり、被害に苦しむ姿を見て思い出した。昨年9月下旬、豪雨被害から立ち直りつつある中国地方を訪れた。


宍道駅に停車中の貨物列車と木次線の気動車(右)
宍道駅に停車中の貨物列車と木次線の気動車(右)

 山陰線宍道(しんじ)駅で木次(きすき)線に乗り換えるため列車を待っていたら、思いも掛けず貨物列車が到着した。山陽線が不通になったため、山陰線に迂回してきたのだ。

 木次線の列車は午前11時すぎに出発。座席にぽつぽつ座っていた客は次第に減り、スイッチバックが人気の出雲坂根駅に着いたときには、鉄道好きと思われる3人だけ。


スイッチバックの出雲坂根駅パノラマ写真。左側が行き止まり、右側から来て、右側に行く

 終点の備後落合駅で下車したが、芸備線の広島方面は、この年7月の豪雨で橋が落ちるなどの被害が出て、ストップしたまま。鉄道ファンは折り返しの列車に乗ったようだ。少し待つと駅前の坂道を降りたところに代行バスが着いた。やや小ぶりと思ったが、客があまりいないため、これでいいのだろう。

 備後庄原、さらに三次(みよし)で代行バスを乗り継ぎ、下深川駅でようやく芸備線に乗り、広島駅に着いたのは午後6時過ぎだった。ここからは新幹線がつながっていたが、呉線なども一部不通。豪雨から2カ月経ても復興途上だった。

 1年後。芸備線の最後の不通区間が、10月に再開するという。それでも復旧できるからまだいい。全国には、豪雨や地震の被害を受けたまま、再開できない線もある。自然災害の多い日本で、鉄路を維持するのは容易なことではない。(a)


備後落合駅。止まっているのは芸備線新見行き

備後落合発備後庄原行きの代行バス

備後庄原発三次行き代行バス

三次発下深川行き代行バス

芸備線下深川駅でようやく乗れた広島行き気動車

広島駅に張り出されていた当時の運行状況。芸備線全線再開は「被害発生から少なくとも1年以上」と記載されていた
 
 

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