ラグビーの練習中に重傷を負いながら、その後画家を志し、愛と平和の象徴としてピエロを描き続ける岡部文明さんの展覧会が13日に始まる。12日には会場となる横浜赤レンガ倉庫でオープニングパーティーが開かれ、実行委員会会長の森喜朗元首相ら関係者約150人が出席。同展とともに、20日開幕のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会の成功を祈った。
同展は実行委員会の主催で、県や横浜市など共催(神奈川新聞社など後援)。油彩や水彩、銅版画など約120点が展示される。W杯の決勝が横浜で行われることから関連イベントとして企画された。
岡部さんは1948年、福岡県生まれ。高校2年の秋、スクラムの練習中に頸椎を骨折して選手生命を絶たれたが、車椅子生活を送りながら画家として再起した。サーカスで魅せられたというピエロが終生のテーマになったという。
岡部さんは「この場にいられるのも多くの人の支えがあったから。ピエロを通じて人間同士の支え合いや平和の尊さを学んだ」とあいさつ。「未来に明るい希望を見いだそうとした私にとってラグビーは、前に進む力やヒントを与えてくれた恩人」とも語った=写真。
展覧会は11月3日までで入館無料。時間は午前11時~午後4時半。会期中は休まず開催する。問い合わせは、同実行委事務局(神奈川新聞社企画事業部内)電話045(663)9151。