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無病息災願う鉦の音 大和・薬王院で「双盤念仏」

話題 | 神奈川新聞 | 2019年9月10日(火) 12:37

静かに鉦の音が本堂に響き渡る双盤念仏=大和市上和田の薬王院
静かに鉦の音が本堂に響き渡る双盤念仏=大和市上和田の薬王院

 浄土宗信法寺の別院である薬王院(大和市上和田)で7、8の両日、伝統祭事「双盤(そうばん)念仏」が行われた。静かな鉦(かね)の音が響く中、地域住民らが無病息災や家運隆昌を願った。

 祭事は、仏教の「声明(しょうみょう)」から発達した音声に抑揚をつけて穏やかに発音し、阿弥陀仏の名を唱える「引声念仏」の一種。1976年に市指定重要無形民俗文化財に指定されている。

 毎年、薬王院の本尊である薬師如来の縁日となる8日と、その前日に実施。文化財指定に合わせて主催する地元自治会に、「上和田薬王院双盤念佛保存会」が78年に結成され、継承に取り組んでいる。両日とも、鉦2個を1組とした「双盤鉦(がね)」が本堂に2組並び、太鼓の音に合わせて独特の演奏と念仏が各3回約30~40分唱えられた。

 本尊の薬師如来像は、薬師堂を建立した和田義盛が鎌倉時代に目を患ったときに祈願したところ治ったとの伝承があり、目の仏様として信仰されている。境内では「薬師生姜(ショウガ)」という芽ショウガが販売され、眼病に効能があるとして多くの人が買い求めた。

 同保存会長の遠藤功一さん(74)は「会員は40~80代で21人いるが、高齢化しており、後継者の育成が課題。呼び掛けに40代の女性が今年から新たに加わってくれた。地域の絆を強めてくれる祭事を守っていきたい」と話している。

 
 

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