横須賀市グリーンハイツで営業するコミュニティーカフェ「サンカフェ広場」が毎年、夏休み期間を利用し、高校生や大学生のボランティアを受け入れている。若い世代に普段はできない経験を積んでもらい、地域のお年寄りとも触れ合ってもらうのが狙い。今夏も3人が接客や販売業務に当たった。参加した生徒から「今後の進路選択に生かしたい」との声が聞かれた。
サンカフェ広場は、住民が集う場を設けてつながりをつくり、高齢化が進む地域を元気にしようと、三澤幸子さん(71)ら有志が発案。2016年3月から、毎週月曜と木曜日の午前10時から午後3時まで、居酒屋「長沢酒場 縁」を借りて営業している。おしゃべりのお供に地元店舗の菓子やパンなどを提供。バザーを開いて、地場産の野菜や不要になった衣服も販売している。
高校生や大学生のボランティア受け入れにも当初から取り組む。年齢層が高くなりがちな店内で若い世代とも交流できるよう、学生の夏休み期間の7、8月、カフェを手伝う高校生や大学生を募っている。
県立横須賀大津高校(同市大津町)3年の清水麻帆さん(17)は今年7月中旬から約1カ月間、カフェで働いた。
中学生の頃から社会福祉に興味があった。高校最後の夏、進路選択を前に、「実際にお年寄りと接してみたい」と考え、応募した。「初めは緊張したけど、常連さんが声を掛けてくれ、気持ちがほぐれた」と清水さん。自身の高校生活やお客さんの思い出話で盛り上がったという。清水さんは「地域の人々から多くを学んだ」と振り返り、来店した石塚千津子さん(70)も「若い人の意見が聞けてうれしい」と喜んだ。
カフェのボランティア募集を冊子「夏のボラ市」で紹介している市立市民活動サポートセンター(同市本町)によると、高校生をボランティアとして積極的に募っているコミュニティーカフェは市内に例がないという。三澤さんは「カフェが、地域住民と若者をつなぐ橋渡し役になれれば」と話している。