今年4月に橋本駅前(相模原市緑区橋本)から職業能力開発大学校跡地(同区橋本台)に移転した県立相原高校の旧校舎や旧校庭、生徒らを撮影した写真展が、相模原市緑区久保沢の「もみじホール城山」で開かれている。生徒だけでなく、地域住民も愛着があった旧校舎での思い出を心に残してもらおうと、最後の1年間を中心に日常の風景が紹介されている。30日まで。入場無料。
写真展「ありがとう相原高校 さようなら駅前校」は、写真愛好家グループ「フォト奥相模」(天野暁子会長)の主催。相原高校跡地は2027年の開業に向けて整備が進んでいるリニア中央新幹線の神奈川県駅となる予定で、写真展は学校の様子を後世に伝える狙いがある。
相原高校は1922(大正11)年に県立農蚕学校として開校。96年間駅前にあり、学校のシンボルとなってきたクスノキなど多くの木が植えられ、地域住民らから親しまれてきた。
会場にはメンバーらが写した69点を展示。農業科のある高校らしく、牛を世話したり、トラクターを運転したりする生徒の姿のほか、住民の憩いの場となっていたイチョウ並木などを収めた作品が並んでいる。移転直前の授業風景や文化祭の様子、30年ほど前の同校を捉えたものもある。
フォト奥相模の事務局を務める中野順さん(60)は「校内の一部が地域に開放されていて、牛が暮らし、緑豊かな校内を散歩する人が多かった」と振り返る。写真展には校内を歩く保育園児の姿を写した作品を展示し、「リニアの駅として変わっていく街の姿を写真として残していきたい」と話している。
午前10時~午後5時(最終日は午後3時まで)。