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フルーティーな「香辛子」 パン、キムチ…商品化続々
辛くない唐辛子、名産に 味の素開発、川崎市内農家生産

話題 | 神奈川新聞 | 2019年8月25日(日) 12:06

新たな名産品として期待される香辛子
新たな名産品として期待される香辛子

 川崎生まれの「辛くない唐辛子」を使った新商品が次々と産声を上げた。味の素の研究所(川崎市川崎区)で開発された新品種「香辛子(こうがらし)」を原材料に、川崎市とJAセレサ川崎は新たなブランド化に向けた取り組みを開始。官民連携で付加価値を高めて名産品に育て上げ、地域経済の活性化につなげたい考えだ。

 福田紀彦市長と味の素の児島宏之専務執行役員、JAセレサ川崎の原修一組合長が顔をそろえた19日の記者会見。真っ赤に熟した香辛子にかじりついた福田市長は「香りがいい。フルーツのようで、ちょっとぴりっとして、不思議な感覚。生でバリバリ食べられる」と笑顔でその魅力をアピールした。


記者会見で香辛子を食べてみせる福田市長(中央)=19日、川崎市役所
記者会見で香辛子を食べてみせる福田市長(中央)=19日、川崎市役所

 香辛子はフルーティーな香りが特徴で、その名が付いた。普通の唐辛子は辛み成分のカプサイシンを含むが、こちらは辛さが千分の1のカプシエイトを主成分とする。味の素がサプリメント製品の原料として品種改良した。唐辛子同様、基礎代謝の向上が期待でき、栄養素のカロテノイドはトマトの10倍、ビタミンCはレモンと同程度含まれるという。

 今年5月から市内の農家29軒が試験栽培を始め、8月上旬に収穫が始まった。JAセレサ川崎の直売店「セレサモス」で20日に続いて24、30日に販売する。市内の食品加工業者・飲食店とのマッチングを進めた結果、麻生区の食パン専門店「アルテの食パン」では総菜パンの具材に使用され、川崎区のキムチ店「おつけもの慶」では水キムチとして商品化。中原区の居酒屋「鈴や・武蔵中原」では「香辛子と若鳥の四川麻辣炒め」「香辛子柚子胡椒(こしょう)」として24日からメニューに載る。

 30日にはセレサモス宮前店で食品加工業者や飲食店向けの試食マッチング会を開催。「サラダに入れたり、ししとうのように焼いて焼き鳥に添えたり、天ぷらやフライにしてもいい」と太鼓判を押す原組合長は「市内の生産者は消費動向に合わせた品目を生産している。飲食店などで消費が広がれば生産も拡大する」と商品化の動きに期待する。

 市内の研究所で開発したものを市内の農家が栽培し、市内の食品加工業者・飲食店が商品化するという好循環に、福田市長は「都市農業の振興、地域経済の活性化につながれば。香辛子を通じてさまざまな主体が連携し、新商品が次々と生まれる食のイノベーションを川崎発で創出していきたい」と意欲を示した。

 
 

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