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孤立の子つなぐ民話 横浜、NPO法人がアートプロジェクト

話題 | 神奈川新聞 | 2017年9月16日(土) 02:00

ワークショップで制作する立体本などを前に、来場を呼び掛ける牧田さん(右)と水谷理事長=横浜市都筑区
ワークショップで制作する立体本などを前に、来場を呼び掛ける牧田さん(右)と水谷理事長=横浜市都筑区

 傾聴活動を土台に、不登校・引きこもりや子どもの貧困問題に取り組むNPO法人アーモンドコミュニティネットワーク(横浜市都筑区)が、アートプロジェクトの発表を行う。生きづらさを抱えた青少年が新たな生き方と出合う場にと始めたもので、今年は横浜北部の民話がテーマ。イタリア在住のアーティスト牧田あゆみさんが両国をつなぎ、アニメーションを完成させた。牧田さんは「彼らにとってアートは自己表現。多くの人に見てもらいたい」と話す。

 同法人がアート事業を始めたのは2012年。地域で孤立しがちな青少年らをアート活動でつなぐことで互いを認め合い、自己肯定感を高めるきっかけに、との狙いだ。一人一人、違っていい-。そんな思いから「アーモンド・凸凹コミュニティアート・プロジェクト」と名付けた。

 今回は「民話がつなぐコミュニティ~横浜とイタリア~おとぎ話の秘密書庫」がテーマ。昨年に続き、横浜市地域文化サポート事業・ヨコハマアートサイトの助成を受けて実施する。牧田さんがバルバラ・ラーキさんと組むユニット「Grimm Twins」と、不登校や引きこもりだった青年、イタリアにある本や漫画の美術専門学校の学生らが制作に携わった。

 今月16日から12月初旬にかけて、さまざまなイベントを展開。アニメ「雪の約束」は伝説上のキツネ・葛(くず)の葉の話と横浜の竹林、虫送りのイメージを重ね合わせた作品で、計3回の上映会を開く。そのほか、地元に伝わる民話「河童(かっぱ)の詫(わ)び状」を題材にイタリアの学生が手掛けたアニメの原画の展示会や、オリジナルの立体本「アーティストブック」を作るワークショップも企画している。

 同法人会員でプロジェクトの中心を担う牧田さんは「民話の編集は自国愛や地域愛、自己のアイデンティティーを確認する作業につながる」。同法人の水谷裕子理事長は「アートの分野で活躍する青年の姿が、不登校の子どもたちの将来のロールモデルになれば」と話している。

 問い合わせは、同法人電話045(594)7566。

 
 

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