藤沢市が、障害者スポーツ全般を統括する団体の設立を検討している。市内の障害者スポーツ界には健常者スポーツの種目別協会や体育協会に当たる組織がなく、普及・振興のためには同様の組織化が不可欠と判断した。統括団体の主導で情報発信や競技者同士の交流を進めて機運を盛り上げ、2020年東京パラリンピックへとつなげる。
市が設立を想定しているのは、障害者スポーツの全種目を緩やかに統括する連絡協議会(仮称)。市単位では競技人口が少なく種目別の協会を設立・運営していくことが難しいため、あらゆる種目の団体・チームが直接加盟する方式を採用する。
そのため協議会の主な役割は、障害者スポーツ全般の普及・啓発、競技者同士の情報交換や交流などとなる見込み。市スポーツ推進課は「現状では課題も多いが、将来的には指導者の派遣や大会運営・介助ボランティアの手配など、より専門的な支援も行える組織としていければ」と展望を説明している。
来年度以降、競技者や関係者をまじえた意見交換会を開催して、設立に向けた動きを本格化させていく。
市内では、市の障害者福祉施設「太陽の家」(同市鵠沼海岸6丁目)の体育館を中心にさまざまな障害者スポーツ団体が活動している。ただ各種目を束ねる組織がなく、市議会からもネットワーク化を求める声が再三上がっていた。
市は14年度、各団体にアンケートを実施。11種目28団体から回答が寄せられ、統括団体の必要性を指摘する意見も多く聞かれた。15年には、20年東京五輪セーリング競技が江の島で開かれることも決まり、市はパラリンピックに向けて障害者スポーツの普及を強化する方針を固めた。
10月22日には市秩父宮記念体育館(同市鵠沼東)で、ボッチャやゴールボールを体験できるパラスポーツフェスタを県と共催。連絡協議会の設立準備とともに、今後もそうしたイベントを定期的に企画していく。