21歳で殉職した伊勢原署の元白バイ隊員をしのび、遺族や地元住民の手で建立された伊勢原市下谷の「佐藤地蔵尊」。建立後47年たった現在も事故の巻き添えでたびたび地蔵が破壊され、現在は3代目となっている。
同署交通課に所属していた佐藤昌司警部補は1968年5月18日、白バイで二輪車を追跡中、車に衝突され、21歳の若さで亡くなった。翌69年2月、佐藤警部補の冥福と交通安全を願い、現場の下谷交差点に「佐藤地蔵尊」が建立された。殉職警官の名前がついた地蔵は珍しいという。同署などが毎年、秋の全国交通安全運動に合わせて献花式を行っている。
しかし、現場は信号が見えづらく事故が相次ぎ、地蔵も壊されてきた。2代目地蔵も昨年5月3日に事故で車が激突して破壊され、すぐに3代目が建て直された。同署は信号機の位置をずらしたり、はっきりと見えやすいように発光ダイオード(LED)化したりして、対策を強化している。信号機改良後の今年1月以降は大きな事故は起きていない。
21日夕に開かれた献花式で、田中勝署長(56)は「殉職した先輩の思いを引き継ぎ、住民と協力して事故ゼロを目指したい」と話していた。