生命科学分野の研究開発拠点が集まる「キングスカイフロント」(川崎市川崎区殿町3丁目)で1日、楽しみながら科学技術を学べる小学生向けのイベントが開かれ、約2500人の親子連れでにぎわった。子どもたちは医療機器を実際に手にしたり、水素で走る自動車に乗ったりと、日ごろ接することのない先端技術に触れ、さまざまなプログラムを楽しんだ。
多摩川を挟み、羽田空港に隣接するキングスカイフロントには現在、約40ヘクタールのエリアに60を超える企業や研究機関の進出が決まっている。生命科学分野などで世界でも最先端の技術開発に取り組むキングスカイフロントを広く知ってもらおうと、市や同地区進出企業などでつくる実行委員会がイベントを主催した。
7回目となる今年は国立医薬品食品衛生研究所や実験動物中央研究所、慶応大学、医療技術開発の日本メドトロニックなどが43のプログラムを用意した。
子どもたちはスタンプラリーをしながら、各施設を訪問。iPS細胞の観察や実験動物の部屋の見学のほか、3次元の心臓のコンピューターグラフィックをパソコンで動かす体験などに臨み、興味深そうに科学研究の現場を学んだ。
主に東南アジアからの医療従事者が高度な医療器具の使用法を学ぶ施設では、手術トレーニングにも挑戦。腹部に見立てた透明なケース内に内視鏡を挿入し、モニター画像を見ながら細い鉗子(かんし)を使ってビーズをつまんで動かしたり、超音波メスを使って油揚げを切ったりする体験を楽しんだ。
腹腔(ふくくう)鏡手術のトレーニング体験をした多摩区の小学3年生山崎未紗乃さん(8)は「画面を見ながら操作して、物をつまむのが難しかった」と笑顔で話した。