笛にまつわる故事にちなんだ「足柄峠笛まつり」が10日、神奈川県南足柄市と静岡県小山町の県境に位置する足柄峠で開かれた。両市町でつくる実行委員会の主催で、ことし46回目。
同市によると、平安時代後期、笙(しょう)の名手だった新羅三郎義光が、足柄峠で弟子に秘曲を伝授したとされる。笛塚供養で笙の音が奉納された後、ささら踊りや竹之下太鼓など2市町の伝統芸能が披露された。
足柄峠広場の「領地争奪」を巡って2006年から実施されている綱引き合戦には、両市町の小学5~6年生50人が参加。同市は15年から2連勝中だったが、ことしは3回勝負で2本を先取されて敗れた。
同市の小学5年生(10)は「腰を落として思い切り引っ張ったが、相手が手強かった」と悔しさをにじませていた。