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【バスストップ】神奈中・津03系統(10)松風台 「餡が命」の和菓子店
話題 | 神奈川新聞 | 2019年8月7日(水) 17:23
バス停近くの「菓子匠(かししょう)・若野」(横浜市青葉区)は、創業50年近い老舗(しにせ)の和菓子店。2代目店主の中野孝道(こうどう)さん(41)、妻の仁美(ひとみ)さん(30)、先代の二雄(つぎお)さん(75)で店を営む。
店が力を入れるのは、自家製の餡(あん)。北海道産アズキ「大納言(だいなごん)」を前の晩から水に漬(つ)け、翌朝に水を替(か)えながら3時間かけて煮(に)た後、こし餡は豆の皮が残らないよう、粒(つぶ)餡は逆に皮が破れないよう、砂糖を加えながら丁寧に煮詰(つ)めていく。どちらも半日がかりの作業。
最近は出来上がった餡をメーカーから仕入れる店が多いが、「うちは餡づくりが命」と二雄さん。孝道さんも「伝統を守り続けたい」。
完成した餡は、最中(もなか)やどら焼きに使う。取材の日は粒餡とバタークリームを混ぜた「小倉クリーム」でどら焼き(240円)を作っており、記者も買って食べた。生地(きじ)の色が一般的なものよりも濃(こ)く、餡とは別の甘(あま)さがある。「和三盆(わさんぼん)糖(とう)を搾(しぼ)って出る『和糖蜜(わとうみつ)』で甘みを付けています」と二雄さん。とても凝(こ)っている。
和菓子の王道を歩む一方、大福餅(もち)にチョコやカフェオレの味を付けるなど、新風も吹(ふ)き込む。商品名も「黒船開港 横濱(よこはま)どら焼」などと面白く、地元の名所にちなんだ「寺家(じけ)ふるさと村もなか」は、県指定銘菓(めいか)で、全国菓子大博覧会の農林水産大臣栄誉(えいよ)賞も受賞した。
孝道さんは「次に作る新しい菓子にも、横浜にちなんだ名前を付けたい」と意気込んでいた。
(小学校高学年向けに、難しい漢字にふりがなを振りました)
【2019年8月1日掲載】