小田急多摩線栗平駅(川崎市麻生区)近くの賃貸マンションが子育て世帯向けにリノベーションされ、所有する小田急電鉄が29日に内覧会を開いた。エントランスホールにキッチンやスタジオを新設するなど共有スペースの設備を充実させた点が特徴で、地域コミュニティーの活性化や多世代交流に向け、イベントなどで使ってもらうことを想定した。
「カスタネア栗平」と新たに命名されたマンションは、1991年に建設された全3棟からなる。敷地面積は約1万1600平方メートルで、同社は今回の改修で新設7戸を含む149戸を整備した。栗平駅まで徒歩2分の立地で、小田急線を利用すれば都心方面に約30分でアクセスできるなど利便性にも優れる。
同社は、高齢化の進む沿線に子育て世代や若者を新たに呼び込むため、古くなったマンションを対象に順次改修に着手。地域に開かれた新たな郊外の暮らしを提案しようと、カスタネア栗平は特に供用スペースに力を入れた。
中庭を再整備して住民に開放するほか、築山を設けて子どもたちが安心して過ごせる遊び場とした。定期的にイベントなどを開催できるよう、エントランスホールにはライブラリーやキッチン、音を気にせずに催し物ができる防音室「スタジオ」を新設。住民同士の交流と地域コミュニティーの活性化を促す効果を期待した。
内覧会で同社は「間取りも豊富に用意されているので、子育て世代からシニア層まで幅広い層に入居してほしい」と話した。