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原発事故 次代に伝え 8月川崎で朗読劇「空の村号」

話題 | 神奈川新聞 | 2019年7月29日(月) 12:05

朗読劇の稽古に励む伊藤さん(左から2人目)や萩坂さん(右端)=川崎市麻生区
朗読劇の稽古に励む伊藤さん(左から2人目)や萩坂さん(右端)=川崎市麻生区

 東京電力福島第1原発事故を題材にした朗読劇が8月3日、川崎市麻生区で開かれる。主催するのは「平和を願う会」(共同代表・森政忠雄さん、萩坂心一さん)。過去2年の朗読劇は広島の原爆を扱ったが、観劇した学生からの一言がテーマを変えるきっかけになった。演出を手掛ける萩坂さんは「原爆も原発も、次世代に語り継いでいくことが私たちの使命」と語る。

 上演する作品は劇作家・篠原久美子さんの戯曲「空の村号」。主人公は福島県の酪農一家で生まれ育った小学5年生の男の子で、2011年の東日本大震災と原発事故を境に家族や村が大きく変わってしまう様子が描かれている。

 市民有志で組織する同会は3年前から、毎年夏に集いを開催。市内の被爆者でつくる「川崎市折鶴の会」の会長も務める森政さんの講演会や、平和をテーマにした朗読劇の上演に取り組んできた。

 過去2年の上演作品はいずれも広島の被爆者を描いた名作で、一昨年は井上ひさしさんの「父と暮せば」、昨年は福山啓子さんの「あの夏の絵」。2年前の上演後の意見交換会で、ある男子大学生が発した問い掛けが今回のテーマ変更の契機になった。

 学生は「原爆のことはよく分かったが、原発の問題はどう考えているのか」と疑問をぶつけてきた。森政さんは「折鶴の会は政治、思想、宗教的に中立なので、残念ながら会長という立場上、コメントはできない」と答えたという。

 萩坂さんはこう振り返る。「森政さんも個人的に思うところはあったはず。でも私も含めその時、答えを控えてしまった。その時の、学生の不満げな顔が忘れられなかった」

 朗読劇を通じてあの時の学生の問いに答えようと、選んだのが「空の村号」だった。「平和の対極にあるのは、無関心や忘却かもしれない。原爆や原発がもたらした被害、恐怖を忘れずに伝えたい」。萩坂さんはそう話す。

 今年の朗読劇には、萩坂さんの演劇仲間が指導したことのある麻生区の高校2年生の男子生徒2人が出演する。

 主役を務める伊藤樹希さん(16)は、震災当時8歳。地震の揺れは覚えているものの、原発事故はよく分かっていなかったという。「台本を読み、演じることで福島で何が起き、人々がどう感じたか分かるようになった」と稽古に励む。主人公の友人役を演じる冨田健吾さん(17)も「放射能という目に見えないものが、いかに人々を苦しめているのか。僕たちより若い人にも伝えていきたい」と意気込んでいる。

 集い「平和へのバトン」は8月3日、麻生市民交流館やまゆりで開催。朗読劇は午前10時半と午後2時45分から。森政さんの講演会は午後1時半から。予約不要で先着40人。大人千円、学生500円。問い合わせは、平和を願う会電話044(935)0313。

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