伊勢原市の大山(標高1252メートル)で27日、毎年恒例の「夏山開き」が行われた。大山阿夫利神社下社境内の登拝(とはい)門が大山講の信徒によって開けられた。
現在の大山は1年を通して登山できるが、かつて登拝門は夏山期間(7月27日~8月17日)以外は閉ざされ、東京・日本橋小伝馬町の「お花講」が江戸時代中期から鍵を保管していた。
今年は土曜のため、昨年より10人多い「お花講」のメンバー61人が参加した。登拝門前での神事の後、講元らが門を開けると、「さんげ、さんげ、六根清浄(ろっこんしょうじょう)」と唱えながら、山頂へ続く石段を上がった。
講元の男性(67)は「今年も仲間と登れることがありがたいし、感謝したい。お花講を次の世代に託していくことがわれわれの役目だ」と話していた。祖父、父の代に続いて千葉県八千代市から参加した中学2年の男子(13)は「石段がきつかったけど、楽しかった」と笑顔を見せた。来年は東京五輪開催を記念し、日本橋から2、3日かけて徒歩で大山を目指す予定。