登山詳細図シリーズの新たな山域となる「丹沢西端・西道志」が、25日から販売される。丹沢山地のエリアでは東、西、統合に次ぐ4作目で完結編になる。
県内部分は、山北町の菰釣山から山梨県の山中湖へ通じる東海自然歩道や、世附川源流部で県境の三国山までのエリアを対象にしている。公共交通機関によるアプローチが難しく入山者が少ないため、ブナ林やススキ原など豊かな自然が残されている。県外では、丹沢に隣接する道志山地の御正体(みしょうたい)山や、富士急行大月線沿いに近年整備された都留アルプスなど計102コースを紹介している。
同シリーズは、登山家の守屋二郎さん(52)と、父親で日本勤労者山岳連盟顧問の益男さん(83)がボランティアの協力を得て首都圏近郊の山域などを踏査して作成。「道迷い」の遭難防止を兼ねて、一般の登山道とは異なる未整備の「バリエーションルート」も掲載しているのが特徴だ。
今回は、山仲間で大学教授の前田京剛さん(61)が主に担当。2016年6月~18年12月にボランティア30人が延べ55日間かけて踏査したという。
守屋二郎さんは「丹沢エリアの空白域を埋めるような作業になった。大半のコースから雄大な富士山の姿を望めるので楽しんでほしい」と話している。
文庫本サイズで縮尺は1万6500分の1。吉備人出版から900円(税別)で販売。主要書店や登山用品店で扱う。問い合わせは同出版・東京出張所電話0422(38)7902。