横浜税関は、東京五輪が開かれる2020年に向けて、国際郵便物が集まる川崎東郵便局内の川崎外郵出張所(川崎市川崎区)での検査態勢を強化する。
同出張所では全国の港を利用する全ての船便や、成田、羽田空港などに海外から届いた国際郵便物の半分以上を扱っている。職員は百数十人規模で、交代しながら24時間対応している。
輸入された郵便物は必要があればエックス線検査装置などの機器で検査するほか、最終的には職員が確認して通関できる要件が整った後に届けられる。
同税関は8月、施設の内部を報道関係者に公開。郵便物による覚醒剤や大麻などの不正薬物の密輸入を防ぐため、麻薬探知犬による訓練の様子を披露した。
海外からの通信販売などの取扱量は増加傾向にあり、偽ブランド品などの知的財産侵害物品の輸入を差し止めることが少なくないという。同出張所の井上弘貴課長補佐は「東京五輪に向けて輸入郵便物が増えていくとみられることから、不正薬物の水際での阻止をはじめ、郵便物を使ったテロへの対策を考えていきたい」と話した。