今年で50回目となる伊勢原市最大の観光イベント「伊勢原観光道灌まつり」が10月14、15の両日、小田急線伊勢原駅周辺で開かれる。15日に行われるパレードの太田道灌役には道灌の子孫で俳優の北村有起哉さんが務め、半世紀の節目を祝う。
道灌は江戸城を築いたことで知られる室町時代後期の武将で、伊勢原で暗殺されたとされる。道灌まつりは1957年、江戸開府500年を記念し、当時の伊勢原町内で行われた道灌の墓前祭などに由来する。
68年12月、「町民が一体になれる求心力のあるイベントが必要」と「観光まつり」の名称でスタート。71年の市制施行を機に現行の「伊勢原観光道灌まつり」となった。市によると、昨年は2日間で25万人が集まったという。
パレード「太田道灌公鷹(たか)狩り行列」は1回目から行われ、道灌役はこれまで三田村邦彦さん、渡辺徹さんら俳優と子孫、市長らが演じてきた。50回の歴史の中で、子孫の俳優が務めるのは北村さんが初。北村さんはテレビドラマや映画、CMで活躍し、父は名脇役で知られる北村和夫さん。
子孫やファンによる「太田道灌顕彰会」によると、北村有起哉さんの母方が道灌の子孫となる。道灌亡き後、太田一族は小田原北条氏に仕えたものの、豊臣秀吉により、北条氏も滅亡。主家を失い不遇をかこっていたが、道灌の玄孫(やしゃご)に当たる「お勝」という女性が徳川家康の側室になった。
お勝は初代水戸藩主・徳川頼房の義母となり、この縁で、北村さんの先祖を含む太田一族も水戸藩士となった。
パレードは15日午後0時20分から同1時40分まで、伊勢原駅周辺の約2・4キロを練り歩く。パレードのヒロイン、北条政子は鎌倉幕府初代将軍・源頼朝の妻で、市内の日向薬師を信仰していた。北村さんの妻で女優の高野志穂さんが演じる。
問い合わせは実行委員会(市商工観光課)電話0463(94)4711。