
横浜美術大学の学生が29日から、現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ」応援プログラムの一環として、「MARK ISみなとみらい」(横浜市西区)で作品展を開催する。題して「ポコスの島と星とガラパゴス」。古着や残糸を活用し、学生らが考案した素材「ポコス」を使って表現したもので、「リサイクルやエコについて考えるきっかけに」と来場を呼び掛けている。9月4日まで。
環境問題などに取り組むNPO法人WE21ジャパンが2012年、古着の活用方法について学生のアイデアを求めたのがきっかけで誕生したポコス。ニットや残糸などをネットに詰めるためクッション性があり、ポコポコとした形状から、その名が決まったという。
以来、ポコスをつなぎ合わせてアート作品を生み出すプロジェクトは学内に受け継がれ、さまざまな場で作品を発表。ヨコハマトリエンナーレでの発表は、前回(14年)に続いて2度目となる。
本年度は、コースの垣根を越えた35人ほどが参加。小中学生らを対象にしたワークショップを開催するなどしながら、制作に励んできた。「社会とアートをつなぐことは、美術大学の役割。学生には、仲間との共同作業の中での達成感や充実感を味わってほしい」とテキスタイルデザインコースの高瀬ゆり准教授。同コース3年生阿部涼太郎さん(21)は「自分の時間を削りながらみんなで頑張ってきた。多くの人の手が掛かっているので、ぜひ見てほしい」と話している。
作品は自由に触れることも可能。1~3日のワークショップは午前11時、午後3時の2回で参加無料。参加者の作ったポコスは期間中、会場で展示予定という。この3日間は、学生が手掛けたプロジェクションマッピングの上映も行う。
問い合わせは、同大学電話045(962)2221。