老朽化に伴って風力発電機2基が撤去された宮川公園(三浦市三崎町六合)に、風力発電機2基が再設置されることが決まった。市のランドマークの喪失を寂しがる市民らの声に後押しされ、市が検討した結果、都内の企業から申し出があった。来春にも稼働する見通しだ。
風力発電機2基を設置するのは、風力発電による売電事業などを手掛ける「駒井ハルテック」(本社・東京都台東区)。
市環境課によると、2基のタワーの高さは41・5メートル。3枚ずつあるプロペラの直径は33メートルで、総出力は600キロワット。旧発電機よりタワーの高さは6・5メートル高くなる一方、総出力は計200キロワット減る。
同社は遅くとも11月には設置工事を始め、来春にも稼働・売電を始める。工事に伴い、公園は一時閉鎖される予定。
旧発電機は1997年3月、新エネルギー・産業技術総合開発機構とニチメン(現・双日)などでつくる「三浦風力発電研究所」が、経済産業省の風力発電実証実験の一環で設置した。
だが内部機材の故障で、2015年8月に1基が、17年6月にもう1基がそれぞれ稼働を停止。海外製の機材で部品の調達に時間がかかることなどから、所有・運営する会社が撤去の意向を市に伝え、今年3月に撤去作業が完了した。
これに対し、「風車がなくなるのは寂しい」「再設置できないのか」などの意見が市内外から寄せられた。市が再設置を検討したところ、今年3月に駒井ハルテックから申し出があり、5月に同省から認定を受けた。
公園は長く、「風車公園」との愛称で親しまれてきた。同課の担当者は「『風車公園』の名をつなぐことができ、非常にありがたい。新しい風車も、市内外の人に親しんでもらえたら」と話している。