城下町として有名な小田原だが、実は小田原市内に寺が約170もある“寺町”でもあることはあまり知られていない。神社と比べ、普段行く機会の少ない寺に足を運んでもらおうと、小田原青年会議所(JC)は「お寺魅力体験プロジェクト」を初めて開催。定員の倍となる100人超の参加者は非日常の空間で新たな魅力を発見していた。
プロジェクトは同JC会員で、今回の会場となった東際寺(同市小竹)住職の平本祥啓さん(36)らが企画した。
1日夕から夜にかけて行われたイベントでは、読経、座禅から始まり、精進料理を味わうなど、寺ならではの体験を堪能。また床の間をミニチュアの枯れ山水にしたり、土とコケなどで苔(こけ)玉を作ったりと、意外な芸術にも触れた。「祈りの風船」と題したプログラムでは、日頃は意識していない先祖への感謝の言葉を書いた風船を飛ばした。
ディスカッションでは、寺を親しみやすくするためのアイデアを広い本堂などに寝転がって考えた。「ウルトラ怪獣の供養祭」「1泊して肝試し」などのユニークな意見もあった。
平本さんは「楽しみながらお寺の魅力を感じてくれたと思う」と話す。10月にも寺をテーマとしたイベントを同JCとして開催する考えで、その後は市内の各仏教会で継続的にできないかを模索している。