本物のような質感の金魚を描く横浜市在住の美術家、深堀隆介さん(44)が15日、横浜駅東口のスカイビルで開催中の作品展「金魚絵師 深堀隆介 イン ザ スカイ」で公開制作を行った。目の前で生み出される多様な金魚の姿に来場者らは歓声を上げた。
透明なプラスチックの板を並べて囲い、巨大な水槽をイメージした会場にアトリエを再現。熱心に見つめる多くの来場者を前に、深堀さんは生き生きとした金魚や水草の水墨画を次々に描き上げた。絵の具を乾かし、切り抜いてから板に貼ると、金魚が水槽の中を泳いでいるように見える。
同展の会期中に何度か公開制作を行う予定で、会場の様子が変化していくインスタレーションとなる。こうした試みは初めてとのことで「始める前は不安もあったが、やってみると楽しい。お客さんの反応がダイレクトに伝わるのもいい」と深堀さん。
頭の中にすみついている金魚を自由に描いているといい、「さらさらと描くことで、かえって作品としての深みが出るような気がする」と話した。
器に流し入れた樹脂の層を重ねながら描いた本物そっくりの金魚が堪能できる作品など7点も展示。
同展は10階中央広場で27日まで。入場無料。公開制作日は同ビルのウェブサイトで告知される。問い合わせは同ビル電話045(441)2424。