江戸時代から人気だったという温泉街箱根に足しげく通っていた、かつての旅人の姿などを紹介する企画展「箱根を旅する人々」が、箱根町立郷土資料館(同町湯本)で開催されている。浮世絵や旅の記録など約60点を通じて当時の旅人の息遣いが伝わってくる。
企画展では、温泉の入り方や必需品などを記した当時の「ガイドブック」や、箱根の湯治場などを題材に歌川国貞らが描いた浮世絵などを展示。旅人が持ち歩いたとされる弁当箱や枕、高額硬貨を隠すための刀型の財布なども並ぶ。
同館によると、湯治客だけが宿泊することができた温泉に一晩だけ泊まる「一夜湯治」が江戸時代にはやり、それが現在の温泉観光地の原型になったという。同館は「昔の旅を知ることで、観光を一層楽しんでもらえたら」と話している。
9月19日まで。午前9時~午後4時半(入館は同4時まで)。高校生以上200円、小中学生100円。問い合わせは、同町教育委員会電話0460(85)7601。