
秦野市蓑毛に残る歴史的建造物を守ろうと、市民有志でつくる「秦野みのげ文化の会」が奮闘している。いずれも国登録有形文化財の蓑毛大日堂と周辺の建物計4棟は修復が必要とされているが、費用が足りていないのが現状だ。同会は「地元に価値のある文化財があり、後世に残さなければならないことを知ってほしい」とし、修復のための寄付金集めなどに力を注いでいる。
同会が修復・保存を目指しているのは、大日如来をまつる蓑毛大日堂と、蓑毛大日堂仁王門、蓑毛地蔵堂、蓑毛不動堂の計4棟。大日堂は聖武天皇が奈良の大仏を建てる際の勅願所として742年に創建され、1729年に再建されたと伝わる。不動堂は17世紀末、地蔵堂は18世紀前半、仁王門は19世紀前半に建てられたとされる。
4棟とも2017年に国登録有形文化財に登録されたが、長年の風雨や度重なる地震の影響で損傷が激しい。大日堂は通路がひび割れ、壁に隙間があるほか、地蔵堂も柱がずれ、天井と壁に穴が開いている。