箱根山(箱根町)の噴火警戒レベルが2(火口周辺規制)に引き上げられてから9日で3週間。全線運休が続く箱根ロープウェイは代行バスを走らせるだけでなく、大涌谷の名物カレーを復活させたり、規制範囲外の駅で土産品を販売したりして集客に知恵を絞っている。
強羅方面からケーブルカーで足を延ばす観光客らが降りる早雲山駅。代行バスが発着するスペースの近くに1日から、キッチンカーがお目見えした。
販売するのは、大涌谷駅のレストランで人気を集めていたカレーだ。警戒レベル2への引き上げに伴う立ち入り規制で店舗は休業中だが、「旅の思い出の一つになれば」と同社。利用者からの要望も踏まえ、1日約50食を通常メニューとは異なる1食600円で用意している。辛めの味が特徴で、大涌谷の岩をイメージして具材には粗びき肉を使っている。
社員は運休以降、大涌谷以外の駅で代行バスの案内や乗車券販売などに従事。5月下旬からは早雲山駅と桃源台駅に売店を設け、オリジナルグッズを販売しているが、運行再開がいつ決まっても対応できるよう設備の点検も続けている。
同社によると、代行バスは1日平均約1200人が乗車。こうした状況でも訪ねてくれることへの感謝を込め、乗客にはロープウェイを写したポストカードを配布している。