三浦半島で約50種の野菜を栽培する「高梨農園」(三浦市南下浦町金田)が、餡(あん)に野菜などを混ぜた大判焼きを考案した。主に、大きさや形がそろわずに規格外になった野菜を活用した新商品で、6月から三崎港近くの複合施設「うらり」(同市三崎)で販売する。農園は「三浦はマグロだけでなく、野菜もおいしいということを多くの人に知ってもらいたい」と期待している。
販売される大判焼きは夏ミカン、安納芋、紫芋、カボチャの計4種類。
夏ミカンはペーストにし、白あんと混ぜた。その際、酸味や苦みを感じられるように配合を工夫。焼き上がった大判焼きを冷蔵庫で冷やし、夏限定で販売する。
他の3種類は秋から春にかけ、日替わりで販売する予定だ。どれも野菜の食感が楽しめるよう粗くつぶし、砂糖も少なめにして餡に仕上げるなど、素材本来の味わいにこだわった。
農園はこれまでも規格外の野菜をジャムに加工するなどしてきたが、「三崎を訪れる観光客はマグロ目当てが多いが、小腹がすいたときに食べ歩きができるスイーツがあってもいい」と昨秋に野菜入りの餡の大判焼きを発案。県6次産業化サポートセンターの支援を受けながら商品化した。
新商品は4月末、6次産業化・地産地消法に基づく農林水産省の総合化事業計画に認定された。今月23日に市内で開かれた認定式で、農園取締役の高梨尚子さん(39)に認定証が授与された。
高梨さんは「農業はこんなこともできると、若い世代にも興味を持ってもらえたら」と期待。「ポテトサラダや切り干し大根などの大判焼きも作ってみたい」とさらなる展開に意欲を示した。
野菜入りの餡の大判焼きは1個180円。当面、土・日曜、祝日のみで、秋ごろから平日の販売も目指す。