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戦争孤児の実像語る「戦争と子ども」テーマに横浜で戦争展

話題 | 神奈川新聞 | 2019年5月27日(月) 12:29

「戦争と子ども」をテーマにパネルディスカッションを行う(左から)西村さん、加藤さん、東條さん=かながわ県民センター
「戦争と子ども」をテーマにパネルディスカッションを行う(左から)西村さん、加藤さん、東條さん=かながわ県民センター

 「2019 平和のための戦争展inよこはま」の講演会が26日、かながわ県民センター(横浜市神奈川区)で開かれ、気鋭の研究者らが「戦争と子ども」をテーマに、戦禍で親を失い路上で生きることになった戦争孤児の実像を語った。戦争体験者や若者ら約100人が耳を傾け、平和や命の尊さに思いをはせた。

 今年で74年を迎える横浜大空襲(1945年5月29日)の惨劇を忘れまいと、毎年この時期に開かれており、24回目。横浜都市発展記念館の調査研究員、西村健さんは戦争孤児らを保護した横浜の民間社会事業団体の所蔵資料を分析し、連合国軍の兵士が横浜の宿舎で「ハウスボーイ」として孤児を雇っていた事実を解き明かした。

 ハウスボーイの仕事を求めて県外から多くの戦争孤児が横浜に来たが、兵士が本国に帰るとクビになり路上での生活に戻らざるを得なかった実態も紹介した。調査を継続している西村さんは「多くの資料が散逸の危機にあり、保存と記憶の継承が地域資料館に課せられた課題」と強調した。

 NHKスペシャル「駅の子の闘い~語り始めた戦争孤児」を制作したチーフプロデューサー東條充敏さんは「大人が始めた戦争では、子どもが一番犠牲になった。今の時代にも弱い立場にいる子どもたちがいれば、大人たちが声をかけてほしい」と語った。沖縄戦や占領下の「沖縄の子どもの貧困白書」をまとめた沖縄大名誉教授の加藤彰彦さんも講演した。

 6月2日には主催の実行委員長を務める脚本家小山内美江子さんらが講演する。約500点の写真で振り返る戦争展は5月31日から6月2日まで。問い合わせは実行委電話045(241)0005。

 
 

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