市民団体「川崎から公害をなくす会」(神戸治夫会長)は24日、創設50周年を記念し、川崎市川崎区大師町の川崎医療生協大師診療所に「公害反対住民運動発祥の地」の記念碑を設置した。
同会は、診療所の前身である大師病院を拠点に、1969年に設立。当時、同病院は多くの公害に苦しむ人たちの「駆け込み寺」となっていたという。
設立以来、大気汚染公害を中心に、被害の実態調査のほか、公害認定のために市民による簡易測定を広めるなどの活動を展開。大企業への公害対策の要求、自治体との交渉に奔走してきた。
記念碑は縦39センチ、横51センチで、盤面にこれまでの歩みをつづり、診療所の玄関脇に設置。除幕式では、同会や川崎公害病患者と家族の会、川崎医療生協の関係者らが半世紀にわたる活動を振り返った。
神戸会長は「公害に苦しむ人と数多く接し、病気の原因を根絶することが大事だと学んだ」とあいさつ。「今後も大企業や行政の動きを監視し、大気汚染や被害の実態を明らかにしていく。記念碑が多くの市民の目に触れ公害問題を考えるきっかけになればいい」と話した。