日本・エストニア友好協会会長の吉野忠彦さん(75)=横浜市旭区=が、エストニアで民間の外国人に与えられる最高勲章「テッラ・マリアーナ十字勲章」を授与された。長年にわたり日本と同国の友好関係を深める役割を果たし、文化交流の促進にも貢献したことが認められたという。
吉野さんは銀行員だった1994年に、経済団体の視察で同国を初訪問。91年に旧ソ連から再独立したばかりで、「若い人たちが国をつくろうと必死になっている姿に胸を打たれた」という。その縁で、東京での大使館新設や、同国への投資の手引書作りなどにも協力。当時のメリ大統領ら政府関係者とも親交を深めた。
97年から同協会の東京支部長を務め、2010年に会長に就任。現在まで同国と音楽などを通じた文化交流を続けている。
同勲章を授与された日本人は、吉野さんが15人目。同大使館で先月行われた授与式ではヤーク・レンスメント大使から勲章が手渡され、同国出身でNHK交響楽団首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィさんらとともに受章を祝った。
吉野さんは「自分1人でできることではなく、協会というしっかりした組織の活動が認められたのだと思う」と笑顔。あらためて、「エストニアの名前がもっと広まり、好きだという人が増えてほしい」と話していた。