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【バスストップ】東急・た41(11)保木入口 農の風景残す桃源郷

話題 | 神奈川新聞 | 2019年4月4日(木) 11:10

斜面地を開墾した「花桃の丘」と呼ばれる坊ケ岳台の農業専用地区=18日撮影、横浜市青葉区元石川町
斜面地を開墾した「花桃の丘」と呼ばれる坊ケ岳台の農業専用地区=18日撮影、横浜市青葉区元石川町

 今週は「すすき野団地」の予定だったが、急きょバス停を二つ戻(もど)り、「保木(ほぎ)入口」で下車した。花の見頃(みごろ)に取材を合わせるためで、お許しいただきたい。

 バス停から徒歩数分の距離にある坊ケ岳(ぼうがたけ)台(横浜市青葉区元石川町)は、2月の梅に続いて、3月中旬ごろから桃(もも)の花が咲(さ)き誇(ほこ)る。その後は桜(エドヒガン)が見頃を迎(むか)える。取材の日は初めて来たという散策グループのメンバーらが、目の前に広がる美しい風景に、はーっ、とため息を漏(も)らしていた。

 急速な宅地開発で失われていく「農の風景」を残すため、代々地元に住む人々が1967年から18年かけ、県と市の助成や指導を受けて耕作に不向きな斜面(しゃめん)地を新たに開墾(かいこん)した。後に農業専用地区となり、「花桃の丘」「保木の桃源郷(とうげんきょう)」の愛称を持つようになった。近くに立つ完成記念碑(ひ)には土地改良の経緯(けいい)と、尽力(じんりょく)した四十数人の名が刻まれている。現在は、碑に名がある人々の後継(こうけい)者らが農地を維持(いじ)している。

 坊ケ岳台の存在を広めた一人が、青葉・都筑のミニコミ紙「ひろたりあん通信」編集長の宮澤(みやざわ)高広さん(58)。20年以上前に初めて訪れ、「駅からさほど離(はな)れていない所に、こんなに美しい丘があったのかと、感動でしばらく動けなかったほど」と振り返り、「たまプラーザの奇跡(きせき)」と評する。それ以後ミニコミ紙上で春にたびたび紹介(しょうかい)。自らも11年前、坊ケ岳台に近い美しが丘西地区に転居した。

 元石川や美しが丘西地区には自然豊かな丘陵(きゅうりょう)と、古くからの歴史や伝統が残る。宮澤さんは「新興の街という従来イメージとは、全く違(ちが)った視点で足を運んでもらえるとうれしい」と、市中心部などからの来訪を歓迎(かんげい)している。

(小学校高学年向けに、難しい漢字にふりがなを振りました)
【2019年03月21日掲載】

 
 

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