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【バスストップ】東急・た41(9)保木 古民家をスタジオに
話題 | 神奈川新聞 | 2019年4月4日(木) 11:08
バス停から徒歩10分ほどの住宅街の奥(おく)に、横浜市内で最大級の古民家「関戸家(せきどけ)住宅」(青葉区美しが丘西)がある。市郊外(こうがい)の農村の原風景が伝わる築150年余の建物で、2001年に主屋(しゅおく)と穀蔵(こくぐら)、文庫蔵(ぶんこぐら)が国の登録有形文化財となった。昔はカヤぶき屋根だったが、現在は上から金属屋根をかぶせている。
個人所有で非公開だが、許可を得て見学させてもらった。入り口付近に「エムズハウス」と案内板があり、矢印が古民家の方を向いている。何だろう…。
到着(とうちゃく)すると、先代当主の故・関戸孝明さんの長女で、この家で生まれ育った長岡美智子さん(76)が迎(むか)えてくれた。中に入ると幅(はば)が14間(約25メートル)もあるため、連続する和室の奥行きに驚(おどろ)かされる。長岡さんは、「昔は冠婚(かんこん)葬祭(そうさい)を全部ここでやりました」。現在の使い方を尋(たず)ねると、意外な答えが。
「ここは今、撮影(さつえい)用スタジオとして時間貸しをしています」
写真家だった長岡さんの夫の発案で、1997年から始めた。テレビのドラマや教養番組などのほか、商品の写真撮影(さつえい)もあるという。和風の品物を多数持ち込(こ)み、和室や日本庭園を背景に撮(と)り、商品カタログや広告などに使う業者が多いそう。
気になっていた「エムズハウス」はスタジオの名称(めいしょう)で、「私と娘(むすめ)の名前のイニシャル『M』を取り、夫が名付けました」と長岡さん。スタジオの収益を古民家の維持(いじ)に充(あ)てる夫のアイデアを生かし、「娘夫婦の力も借りて運営を続けていきたい」と語っていた。
(小学校高学年向けに、難しい漢字にふりがなを振りました)
【2019年03月07日掲載】