東京ガスは2019年度、病気やけがで片手しか使えない人のためのクッキング教室を首都圏で始める。3月28日には、福祉関係者らを招いた体験会が川崎市川崎区で開かれ、片手で缶詰を開けたり、野菜を切ったりするアイデアなどを学んだ。
片まひの社員からの「もう一度料理を楽しみたい」との声をきっかけに、同社は昨年夏、小冊子「片手でクッキング」を作成。横浜市リハビリテーション事業団の医師の監修で、片手でも簡単に楽しく調理できるレシピや工夫を収めた。
体験会は、各地のショールームやキッチンランドで料理教室を展開するのに先駆けて企画。参加者はまな板の上にぬれ布巾を置いて食材が動かないようにするなどの役立つ知識を教わり、ツナトマトソースのペンネとサラダ、フレンチトーストを作った。
参加した市井田障害者センター職員の丸岡直子さん(46)は「ぶつ切りで煮て、後で細かくした方がおいしくなると聞き、あらためて食べることの大切さを知った気がする」。同社川崎支店の天野純子副支店長は「共生社会の実現に向け、市民向けの教室を開き、市が力を入れているパラムーブメントに協力していきたい」と話していた。