家内安全や所願成就を祈って山伏が燃え盛る炎の上を歩く「火渡り」の伝統行事が28日、愛川町八菅山(はすげさん)の八菅神社で行われた。
火渡りの会場は、境内の急な石段を約240段も上った中腹の広場。氏子らがスギの枝や葉などを高さ2メートル近くにまで積み上げて準備をした。
定刻になると、小田原市中里の満福寺の藤原慈舟住職をはじめとした丹沢周辺の真言宗寺院の僧侶ら7人が法螺(ほら)貝を吹きながら、山伏姿で広場に到着。山伏らはまさかりを振るったり、四方の空へ向けて弓を引いたりした。
スギの葉に火が付けられ、瞬く間に大量の白い煙と頬を焦がすほどの炎が上がった。火勢が一段落したところで藤原住職らが裸足で炎の上を歩いていくと、集まった観衆から思わず「すごい」と声が上がった。
山伏らが渡り終えると氏子らが炎を左右に分けて歩きやすくした後で、一般の希望者も火渡りに参加していた。