
林立するタワーマンションに負けじと“背比べ”-。川崎市中原区の武蔵小杉駅近くの住宅街で、無数のツクシがニョキニョキと顔を出し、春の到来を告げている。
ツクシは、全国に自生する「スギナ」の胞子茎で、草原や田畑のあぜなどでよく見られる。市民団体「多摩川クラブ」のメンバーで、近くに住む安藤直明さん(49)によると、春になると例年、住宅街の一角にある駐車場の地面から生えてくるという。
「この辺りは、昔は畑や田んぼであぜ道でよく見かけたが、高層マンションなど住宅が建ち並び、今ではほかでは見なくなった」と安藤さん。「ここは草刈りもきちんと行われているので、子孫を残そうとスギナが一生懸命、胞子を出そうとしているのではないか」と話し、春の訪れを実感していた。