約18万枚の短冊の輪を1本につなぐイベント「かわさき色輪っかつなぎ」が8日、川崎市の二ケ領せせらぎ館(同市多摩区宿河原)近くの多摩川河川敷で行われた。立場や境遇の異なる市民が、それぞれの思いをしたためた20色の色鮮やかな短冊アートが、夏の河川敷を彩った。
アートディレクターで実行委員長の村瀬成人さん(61)らが、今年2月からワークショップを開き、市内約450の施設や市民グループに小さな輪作りをあらかじめ依頼。回収した輪を大学生らボランティア約60人がこの日、全長約6キロにつなげ、大きなアートを完成させた。
短冊の水色は多摩川を表すなど、地元由来の色を実行委が決めた。明治大学理工学部建築学科の園田眞理子教授やゼミの学生たちが形をデザインした。中国江西省から同学科に留学している夏宇さん(25)は「1本につなげるデザインに苦労したが、つなぐ作業は楽しい」と満足そう。
施設のお年寄りや障害者も参加した。村瀬さんは「輪を作ったみんなが地域社会に関わっていることが実感できて、川崎が好きになってくれればと願っている」と話していた。