日本民家園(川崎市多摩区)の誕生をテーマにした市民劇の上演を盛り上げようと、記念のシンポジウムが4日夜、同市中原区で開かれ、約100人が半世紀前の同園誕生の背景などを考えた。21世紀川崎教育フォーラム(江頭秀夫代表)の主催。
同園は、江戸時代などの古民家など25建物を集めて展示した市立施設。上演される市民劇「日本民家園ものがたり」は、市の文化財担当職員としてその誕生に尽力した古江亮仁氏を取り上げた。シナリオを担当した劇作家の小川信夫さんは「これまでの市民劇は偉人を題材にしたが、今回は普通の人の偉大な力、人間力を扱いたかった」。
さらに「戦後の復興期、まだインフラも整備されていない時代に、何億円もかかる民家園のような施設ができた。全国から集まってきた川崎の労働者に古里を感じてほしいと願い、風呂敷を持って何度も市庁舎を訪れた古江さんの姿が懐かしまれる」と続けた。放っておくと古民家が次々と建て替えられていった高度成長期という時代背景や、古江さんの人物像などにも言及した。
市民劇の上演は、5月10~12日多摩市民館、同18、19日エポックなかはら。問い合わせは、実行委員会事務局電話044(555)0588。