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「未来のために脱原発」 県内避難者らアピール

話題 | 神奈川新聞 | 2019年3月11日(月) 10:53

原発事故の終わらない被害を訴えた村田さん(左)=川崎市中原区の中原平和公園
原発事故の終わらない被害を訴えた村田さん(左)=川崎市中原区の中原平和公園

 東京電力福島第1原発事故から8年を迎えるにあたり、脱原発の実現を訴える市民集会が10日、川崎市中原区の中原平和公園で開かれた。避難生活を余儀なくされている事故の被害者らがエネルギー政策の転換をアピール。参加者約1300人は街中をデモ行進し、「未来のために原発をなくそう」と呼び掛けた。

 県内への避難者で、国と東電に損害賠償を求める訴訟の原告団長村田弘さん(76)は、2月20日の横浜地裁判決について「東電だけでなく国の責任も明確に認めた勝訴判決。あの事故が人災という司法判断は定着した」と報告。

 一方で、7万人がふるさとへ戻れない現状に「これが原発事故の現実。だが、事故の収束をアピールしたい政権により、避難者への住宅支援も3月で打ち切られる。暴力的な政治に押しつぶされないよう闘っていかなければならない」と、原発の再稼働を進める政府を批判。原告の多くが、賠償額が低いなどとして東京高裁へ控訴したことへの支援を求めた。

 再生可能エネルギーを促進する条例の制定に向け、署名活動に取り組む「川崎地域エネルギー市民協議会」の鳥海幸恵さん(43)は「これほどの事故を経験しながら政策が変わらないのは常軌を逸している」と強調。「国が動かないなら、安心して暮らせる街を市民参加の下、足元からつくっていくべきだ」


商店街をデモ行進し脱原発をアピールする市民ら=川崎市中原区
商店街をデモ行進し脱原発をアピールする市民ら=川崎市中原区

 茨城県東海村の村上達也元村長も駆け付け、再稼働に向けた動きが進む東海第2原発について「東日本大震災で地盤が沈下するなど被災した危険な原発だ。民意を無視した再稼働は阻止しなければならない」と訴えた。

 集会は脱原発を目指して市内の団体・個人で結成された「原発ゼロへのカウントダウンinかわさき実行委員会」の主催。震災翌年から毎年3月11日に合わせて千人規模の集会を開いている。

 
 

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