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祭り彩るちょうちんにもLED化の波 資金難でめど立たず

話題 | 神奈川新聞 | 2019年3月8日(金) 12:12

みこしと祭りちょうちんが雰囲気を盛り上げる名倉地区の夏祭りの様子(同自治会提供)
みこしと祭りちょうちんが雰囲気を盛り上げる名倉地区の夏祭りの様子(同自治会提供)

 道路沿いなどに飾られ、地域の祭りを彩るちょうちん。明かりは白熱電球からLED電球に代わってきたが、買い替えたくとも資金のめどが立たない地域が相模原市内で出てきている。1個あたりは安価でも数百個に上ると費用はばかにならない。同市緑区の名倉自治会(野崎光也会長)では夏祭りの際に連ねるちょうちんの距離を2割程度、短くせざるを得ない状況になっている。

 名倉地区の夏祭りは、8月最後の土、日曜日に催される。主会場の自治会館前を東西に走る市道沿いに支柱を立て、400メートル程度の距離に200個ほどのちょうちんを飾り付けていた。

 だが、購入して20年以上とみられるちょうちんセットは、切れてつかなくなる白熱電球が増えた。コードの傷みや電球をねじ込むソケットの破損などが目立つように。

 応急処置として、まだ使える電球を切れた電球と交換してしのいでいるが、買い替えは費用がかさんでできていない。3年前からは400メートル全てを飾ることができなくなり、東側100メートルほどで飾るのをやめ、全体で300メートルほどに短くなってしまった。


白熱電球が使われている祭りちょうちんの中身を見せる名倉自治会の野崎光也会長
白熱電球が使われている祭りちょうちんの中身を見せる名倉自治会の野崎光也会長

 一方、同区佐野川の和田地区でも3年ほど前に十数年ぶりに盆踊りを復活させたものの、ちょうちんが老朽化していた。およそ20年前まで使っていた年代物のちょうちんセットだけに、和田地区の人からは「かなりぼろぼろで、漏電しないか心配だ」の声も出ている。

 名倉地区ではLED式に交換することを検討したが、地元電気工事店に尋ねると「LEDのちょうちんは1個あたり3千円程度かかる」という返事で、200個のセットをそろえると60万円。ちょうちんは地元の神輿(みこし)会が担当し、自治会はサポートする立場だが、「どちらの団体もそんな費用はない」と野崎会長はため息をつく。

 市内では住民の寄付で買い換えたり補修したりする地域もあるが、名倉地区では「数年前に自治会館を建てた際に寄付を募っており、また頼むのは難しい」と野崎会長。和田地区も「高齢化で仕事をリタイアした家が多く、寄付は頼みにくい」と悩む。

 市には地域の活性化を支援する「地域活性化事業交付金」があるが、交付金を担当する市市民協働推進課は「個々の自治会単位の祭りに補助することが地域の活性化になるかどうか。またこの交付金は物品の購入よりも、活性化の活動に対して出すもの」と説明。「ちょうちんの購入に使うのが、はっきりと駄目とは言えないが…」と言う。

 交付金利用もスムーズにはいかないようだ。

 
 

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