古写真をもとに川崎市高津区の歴史を伝えるワークショップが23日、同区役所で開かれ、約20人が古老の昔語りや遊びを通して地域の歩みに親しんだ。
「まちの記憶をたどる」と題し、76~92歳の3人が久地梅林、多摩川の渡し船、かやぶき屋根の農家などの風景写真を示しながら解説。昭和10~30年代の多摩川での水浴び、馬を使った農作業の様子など、郷土の暮らしを紹介した。
「私が子どものころは梅林に東京からもたくさんお客さんが来てにぎやかだった」と同区久地の遠藤尚次さん(92)。同区北見方の戸張重雄さん(87)は「自宅近くの二ケ領用水で泳いだのをよく覚えている。飲んでもいいくらい水がきれいだった」と幼き日を振り返った。
ベーゴマやメンコなどの体験もあり、子どもたちはお年寄りに手ほどきを受けながら楽しいひとときを過ごした。市立久地小学校5年の横山桃子さん(11)は「昔の写真やお話が面白かった。桃を育てていたことや多摩川で泳いでいたことを知って驚いた。学校で多摩川のことを勉強しているので、参考にしたい」と話していた。